Shutter Monochrom

写真で綴る、日々の小さなこと。

カメラの記憶 ルサール20mmF5.6 / Paris

f:id:hasselblad_1972:20131006063814j:plainLeica M3 / ルサール 20mm F5.6

 

今はコシナレンダーやコシナツアイスという

比較的安いライカレンズを買う事が出来るが、

昔は高価なライカレンズしか無かった。

21mmで安いレンズはアベノン21mmと旧ソビエト製ルサール20mmだ。

 

どこで買ったか記憶が定かでない。ネットかな?

このルサール、完全対象形をしていて、ビオゴンの元となったという

噂がある。

F値は暗いものの、歪曲は皆無、モノクロの再現もよくお気に入りだった。

モノクロフィルムで使う限り、

今持っているコシナツアイス ビオゴン21mmF2.8よりいいだろう。

ビオゴンは階調の表現が残念ながら現代レンズだ。

 

当然、古いレンズなので逆行には弱い。

逆光は5角形の奇麗なゴーストがでる(という記憶が)ので

巧く配置できれば問題ない。

 

お気に入りだったが、M8を買ったときに手放した。

後ろがすごい出っ張っているので、

M8のCCDとレンズ後玉との距離が無くなり、

CCDに斜めに光線が入ってしまうのだ。

 

超広角はM8やM9で使うとオッドシアンドリフトと呼ばれる、

写真の周辺が紫色になる現象が発生する。

確かキャプチャーワンで削除できるのだが、

面倒だし、高いソフトだし、

なによりデジタル時代には少し解像度が足りなかった。

 

レンズは売ってしまったが、

ファインダーは見やすいので今でも使っている。

ファインダーをのぞくと、たまにルサールを思い出す。

 

先日、ルサールのファインダーが曲がってしまい、

写す写真全てが斜めになってしまった。

さすがに寿命かと思ったが、

ねじを締めたら真っすぐになった。

ファインダーだけ、パリに行った記憶をとどめている。

 

前に、カメラもレンズも、パリに持っていった機材は全て売ったと思っていた。

しかし、ブログを書きながらルサールのファインダーだけ残っていたのを思い出した。