Shutter Monochrom

写真で綴る、日々の小さなこと。

カメラの思い出・ズミクロン35mm8枚玉

f:id:hasselblad_1972:20130919060223j:plainLeica M3 / Summicron 35mm F2 1st(8elements)

Paris

 

今は無き(売った)カメラの思い出を少々。

ライカのレンズはおしなべて高価だが、その中でも特別なレンズがある。

初代ズミクロン35ミリ、通称8枚玉だ。

M3用の「めがね付き」と呼ばれる程度の悪い物を7万で買った記憶がある。

 

このレンズ、僕が初めてのM型レンズだ。

ライカレンズは、F値で名前をつけている。

F4、F3.5 エルマー

F2.8 エルマリート

F2 ズミクロン

F1.4 ズミルックス

例外はあるが、概ねこうだ。

 

8枚玉だが、程度の良い物は30万近くする、人気玉である。

何が人気なのだろう?

 

このレンズ、階調がものすごい豊富なのである。

コントラストは低めで、繊細な写りをする。

そこが人気なのだろう。

 

ズミクロンシリーズはライカの象徴的なレンズで、

高解像度、高コントラスト、豊富な階調を目指している節がある。

僕の持っている、非球面レンズを使用したズミクロン35ミリは

ものすごい高コントラストである。

しかし、階調も超豊富だ。

 

8枚玉は50年前の設計なので、F2はかなり無理がある。

F4以上でないと使い物にならないのだ。

F2.8、F2だとものすごくフレアーがでてソフトフォーカスレンズに

成ってしまうのだ。

 

フィルム撮影にとって、F2.8とは特別なF値で、

室内はISO400、F2.8、1/30〜1/8で撮影する。

蛍光灯で明るいと、シャッターを1/30にし、

暗いかな、と感じたらもう少し下げる。

 

とにかくF2.8の性能が不満で、

非球面レンズを使ったズミクロン35ミリに買い換えてしまった。

このブログの35ミリは全て非球面ズミクロンで撮影している。

 

非球面で撮影しながら、

やはり8枚玉は良かったよな、などと多少の後悔をするのだ。

やはり買い増しがいいよな。出来ないけど。